企業ニュース

2017年02月10日

ローランド ディー.ジー.株式会社

デンタル事業にフォーカスした新会社DGSHAPE(ディージーシェイプ)がスタート

DGSHAPE

業務用インクジェットプリンターやデジタルものづくりツールを製造・販売するローランド ディー.ジー.株式会社は、3次元切削加工機や3Dプリンター、デジタル彫刻機、メタルプリンターなどのデジタルものづくりツールを製造・販売する3D事業を、新設子会社のDGSHAPE(ディージーシェイプ)株式会社に移管し、デンタル事業を中心とした事業運営を2017年4月3日より開始しますのでお知らせいたします。

背景について

当社の3D事業は、誰もが気軽に「イメージをカタチに」できるものづくり環境を提案することを理念とし、デスクトップ・ファブリケーション(机上工場)コンセプトの下、「コンパクトサイズ」「簡単操作」「導入しやすい価格」を特長とするデジタルものづくりツールを展開してまいりました。
当社がこれまでに製造・販売した3次元切削加工機や3Dプリンター、デジタル彫刻機、メタルプリンターなどの製品群は、独自のコンセプトに基づく革新性が世界中のものづくり現場で高く評価されており、その用途は、企業の研究・開発業務での製品試作や、次世代エンジニアやデザイナーを育成する教育・研究、さらには、オリジナルグッズやギフト品の製作、個人の工作やホビーなど幅広い分野に広がっています。
一方、2010年に新規参入した歯科技工市場では、歯の詰め物や被せ物などの補綴物(ほてつぶつ)を製作する歯科用ミリングマシンが、歯科技工所やデンタルクリニックのニーズを捉えたことから、先進国を中心に急速に市場シェアを拡大しており、当社の3D事業に占める売上割合も約6割に達するなど、3D事業の成長を牽引するまでに存在感を高めています。

3D事業のポートフォリオの変化が顕著になる中、当社は、3D事業の焦点をデンタル分野へと再編すると同時に、新たなブランドで3D事業をスタートさせることが最適であると判断しました。
デジタル化が進むデンタル関連市場の開拓余地は大きく、新たな補綴材料が次々と登場する市場特性や、補綴物製作業務の多くがアナログで行われている歯科技工所の現状などを考慮すると、専任のセールス・マーケティングチームによるチャネル開拓、デジタルものづくりツールの技術革新、さらには、オープンシステム・コンセプト*を活かしたソリューション開発により、歯科技工市場やデンタルクリニックにさらなる付加価値提案が可能であると見込んでいます。
デンタル以外の分野については、医療現場における医療器具・器材のトレーサビリティ(追跡可能性)確保やメンテナンス作業を支援するデジタルシステムの開発・販売をメディカル事業として発展させ、院内業務の安全性の確保と作業の効率化を提案してまいります。メディカル事業は、デンタル事業の展開を鑑みながら、点と点を面へと発展させ、将来的にはヘルスケアの括りの中でさらなる価値提案の可能性を探ってまいります。
また、イノベーティブな3Dものづくりツールを生み出すうえでこれまでも重要な役割を果たしてきた試作・教育・個人工作といった3Dものづくり分野については、これまで通り幅広い市場・用途での可能性を探ると同時に、新製品・新事業を生み出すための戦略的なインキュベーション・プラットフォームと位置づけ、3Dものづくり事業として進化させてまいります。
これらの構想に基づき、当社の既存の3D事業をDGSHAPE株式会社の下で包括的に運営することといたしました。

*歯科技工業界では、補綴物製作を支援するシステムとして、歯型をデジタルデータ化するスキャナや、CAD/CAMソフトウェア、ミリングマシン、特定の補綴材料などをセットにした「クローズドシステム」として販売する場合がありますが、当社は、これらを限定しないオープンシステム・コンセプトを採用することで、ユーザーが手持ちのスキャナやCAD/CAMソフトウェアと組み合わせ、最適なワークフローを実現できるよう、また、デンタルクリニックや患者に最適な補綴材料を提案できるよう配慮しています。

DGSHAPE株式会社のミッション、ビジョンについて

DGSHAPE株式会社は、デジタル化の新たな潮流に対応したものづくりソリューションの提供を目指す事業会社です。ローランド ディー.ジー.が30年超に亘って培ってきた3次元デジタル加工に関する技術やノウハウはもちろんのこと、独自開発のセル生産システム(デジタル屋台*1)や、世界中で展開するカスタマーサービス・サポートシステム*2を活用し、ハードウェアやソフトウェアによるデジタルものづくりの付加価値提案のみならず、IoTやAI、ロボティクスなどを中心とする次世代デジタル技術を活用した効率的なものづくりワークフローや、オープンイノベーションを誘発するものづくり環境、さらにはデータ解析やコンサルティングなどによる高度なサービス・サポートの提供を視野に入れ、各事業分野で、新デジタル時代に適合したソリューションの提供を目指します。

*1 ローランド ディー.ジー.の製品は、同社が独自開発したセル生産システム「デジタル屋台(D-Shop)」で組み立てられています。作業者は、パソコンのディスプレイに表示された3Dグラフィックマニュアルを確認しながら、工程ごとに必要な部品を自動供給する回転ラックから部品を取り出し、指示された電気ドライバーを選択して製品を組み立てていきます。間違った部品やドライバーを使用することがないよう工夫されているだけでなく、各工程で品質検査を実施することで、工程内で品質を作り込んでいます。デジタル技術を活用することで属人的な知識や経験に依拠することなく、また、人間の記憶力や注意力をサポートしながら、高品質と高生産性を同時に達成していることが特長です。各屋台での作業ログデータはサーバ上に保存され、現場管理者が作業進捗を把握したり、データ解析を通じて改善活動につなげたりすることができるようになっており、個別の屋台の管理だけでなく、工場全体の生産を最適にコントロールできる点も大きな特長です。作りこまれたシステムが、幅広い業界のものづくりワークフローをサポートできるものと見込んでいます。

*2 顧客の事業を維持・発展させるために、ローランド ディー.ジー.は、クリエイティブセンター、アカデミー、ケアを統合した独自のサービスサポートシステムを整備しています。クリエイティブセンターは、顧客の事業に役立つ最新情報を発信するコミュニケーションスペースで、世界中に展開する当社の営業拠点を中心に設置されています。ローランド ディー.ジー.の製品を使って作られたアプリケーションサンプルの展示や、セールス担当とのコミュニケーションを通じて、製品を使用することで可能になる事業のイメージを膨らませて頂くことができます。また、アカデミーでは、世界各国のトレーニングルームにおいて、製品やソフトウェアの使い方を習得できるセミナーを主催し、スキルの向上、事業の付加価値向上を支援しています。さらに、ケアは、導入後の製品の修理・点検やメンテナンスサービスを提供し、円滑な事業運営をサポートしています。これらのサービス・サポートは、付加価値の源泉がハードからサービスへと移行する流れの中にあって戦略的な価値が増加するものと見込まれ、新デジタル時代における発展的可能性を探ってまいります。

DGSHAPE株式会社の事業について

DGSHAPE株式会社は、デンタル分野を中心に、メディカル、3Dものづくりの各分野で事業を推進してまいります。各事業の概要は下記の通りです。

デンタル事業

歯科技工の現場に、歯科用ミリングマシンを中心としたデジタルソリューションを提供することで、業務の高付加価値化や生産性の向上をサポートする事業です。歯科技工の現場では、デジタル化の進展と補綴材料の進化に伴い、歯型のデジタルデータをもとに素材の塊から直接補綴物を削り出すワークフローが注目を集めています。
ローランド ディー.ジー.は、3次元切削加工に関する技術とノウハウを活用し、2010年に歯科用ミリングマシンDWXシリーズを立ち上げ、市場に参入。DWXシリーズは、高い加工精度はもちろんのこと、作業机の上に設置できる「デスクトップサイズ」、誰もが簡単に操作できる「使いやすさ」、手持ちのCAD/CAMソフトウェアやスキャナなどと組み合わせてお使いいただける「オープンシステム」、「導入いただきやすい価格」などのコンセプトが評価され、短期間のうちに市場での地位を確立しました。
現在、ローランド ディー.ジー.は、ジルコニアやハイブリッドレジンなどの加工に適した「ドライ方式のミリングマシン」として、5軸制御のDWX-51Dと、コンパクトサイズながら高い加工精度を誇るDWX-4を、また、優れた審美性と強度で歯科医や患者から高い支持を得るガラスセラミックスの加工に最適化した「ウェット方式のミリングマシン」としてDWX-4Wを展開し、それぞれの歯科技工所に最適なソリューションを提案しています。
今後は、DGSHAPEブランドの下、さまざまな補綴材料のデジタル加工ニーズに対応できる体制を整えるとともに、歯科技工業務のワークフロー全体の効率化を提案し、併せて、デンタルクリニックへの価値提案も推進し、事業の幅を広げてまいります。

メディカル事業

ローランド ディー.ジー.は、医療機器のUDI 規制(Unique Device Identification:医療機器・器具などへの固有識別番号表示の義務化規制)に対するソリューションを提供することを目的に、メディカル分野での事業確立を目指し活動を推進しています。医療の現場では、近年、院内感染のリスクを回避し、患者の安全を確保することを目的に、従来の医療器具の保全・管理方法を見直す動きが広がっており、医療機関における器具の管理を徹底させようとする規制当局の動きも世界的に顕在化しています。
ローランド ディー.ジー.は、2000年代初頭より展開しているメタルプリンターの技術が、医療機器・器具等への固有識別番号の印字に応用できると考え、2012年に医療器具用マーキング装置MPX-90Mを発売し、2016年には、MPX-95と専用キットを発売し、ほぼすべての医療器具に対してマーキングを施すことができるよう進化させました。器具に打刻した2次元シンボルを活用することで、各器具の保有数、所在、使用回数、使用履歴などを管理するためのソリューションを世界各国の医療機関、医療器具メーカーに提案しています。
一方、ローランド ディー.ジー.は、医療現場にMPX-90Mを提案する過程で、手術後の医療器具の分解・洗浄・組立・滅菌などの作業が、作業者の経験値に左右される属人的なものに留まっている事例を散見し、煩雑な作業を伴う多種多様な医療器具の保全に、同社が生産現場に導入している作業支援システム「デジタル屋台」を応用することで、業務品質および効率を向上させることができると判断し、2014年から、浜松医科大学などとともに医療器具・器材の保全・管理にかかわる医療業務向け作業支援システムとしてモデル構築・実証を推進しています。
医療器具用マーキング装置と作業支援システムを組み合わせた包括的なシステムは、事業化に向けた目処が立ち、DGSHAPEでは、本年中に国内外の中規模クラス以上の病院への提案を開始できるよう体制を整備してまいります。

3Dものづくり事業

ローランド ディー.ジー.がデスクトップサイズの3次元切削加工機を発売してから約30年が経ちましたが、その本質は色あせることなく、デスクトップ・ファブリケーションのコンセプトは、ますます注目を集めるようになっています。
近年のインターネットやSNSの発展、スマートデバイスや個人向け3Dプリンターの登場、Fab labやメイカーズスペースなどの市民向けデジタル工房の増加は、ものづくりの可能性を多くの人々に開放することとなり、「創造力」を駆使すれば、アイデア一つで誰もが「メイカーズ」になれる時代が始まっています。
ものづくりが企業の研究開発部門や専門家に限定されていた時代は終わりを告げ、専門分野や企業・産業の枠を超え、また文化や価値観を超え、インターネットを介して世界中の人々の知恵やアイデアを結集しながら、オープンイノベーションによる共創の下、これまでにない革新的な価値を生み出すことも可能になってきています。
デジタルものづくりの世界が大きく変わろうとしている今、DGSHAPEは、イノベーションの発火点となる市場と近い位置を保ちながら、ツールの使われ方やニーズを見極め、人々のものづくりにさらなる価値を提供するための技術の研究開発を推進してまいります。また、IoTやAI、ロボティクスといった次世代デジタル技術を活用したものづくりの在り方を探り、新デジタル時代に適合したソリューションの開発も進めてまいります。
ローランド ディー.ジー.が3D事業でさまざまな市場を切り拓いてきたのと同様、当事業のインキュベーション的な特性に留意し、グローバルレベルで事業シーズを探索してまいります。

お取引先様、お客様へ
営業およびサービス・サポートにつきましては、当面の間、これまで通りローランド ディー.ジー.株式会社が対応いたします。

報道関係の方のお問い合わせ先
ローランド ディー.ジー.株式会社
コーポレート本部 経営企画部 広報ユニット 担当:沖野
〒431-2103 静岡県浜松市北区新都田1-6-4  TEL:053-484-1400
E-Mail:rdg-globalpr@rolanddg.co.jp
お客様のお問い合わせ先
ローランド ディー.ジー.株式会社
コールセンター
〒431-2103 静岡県浜松市北区新都田1-6-4  TEL:0120-808-232
E-Mail:rdg-info@rolanddg.co.jp

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