事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、重要事象等は存在しておりません。

競争環境

  • 当社グループの事業領域であるデジタル機器の分野は、デジタル技術やネットワークの発展と共に市場規模が拡大する半面、大手企業や新興国メーカーの参入による製品価格の下落、ライフサイクルの短縮がみられます。当社グループではソリューションでの顧客価値創造を目指しておりますが、厳しい競争環境下では、売上高の減少、研究開発費や販売促進費の増大による収益の悪化等、業績に影響が出る可能性があります。当該リスクへの対応策として、チャネルパートナーと協力し市場状況を注視するとともに、革新的なソリューションの開発に注力してまいります。

新規事業開発

  • 当社グループでは、社会変化に対応した柔軟な事業構造の転換による持続的成長を目指し、新規事業開発に向けた市場調査や研究開発活動及び投資を継続して行っております。2021年度から3ヵ年の中期経営計画においては、事業ポートフォリオの転換を図るべく新規事業を創造していく方針です。しかし、新規事業においては不確実な要素が多く、想定を超える市場環境変化や市場ニーズの読み違い、研究開発の遅延、有力な代替技術の出現、各新規事業におけるパートナー企業との協業が期待するシナジーを生まない等、様々な要素によって新規事業の確立が困難となり、投資の回収が遅れる、又は回収できない可能性があります。当該リスクへの対応策として、新規事業投資に関しては将来性の客観的な評価に加え、リスクとリターンの検証を行っております。

為替変動が業績に与える影響

  • 連結売上高に占める海外売上高の比率は9割程度となっており、当社グループの業績は、為替変動の影響を受けます。
    なお、2021年度からタイ工場に量産機能を集約させたことに合わせて、さらに部品の海外調達比率を高め、より一層の為替リスクの低減を図っております。

サプライチェーンに関連するリスク

  • 特定の仕入先に対する依存度

    当社の製品を生産する上で、調達する材料等のうち、特定の仕入先に依存するものがあります。何らかの理由でこれらの材料等の調達が困難になった場合、当社の製品の生産に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、仕入先の見直しを適宜行うなどしてリスクの低減を図っております。

  • 生産拠点の集中

    当社は、2021年度からタイ工場のみの一拠点生産体制へと変更したため、タイで災害や政情不安などがあった場合、生産停止となる可能性があります。日本国内工場は、量産機能はありませんが、試作品や極少量生産、立ち上げ時のパイロット生産等は継続しており、緊急時の生産対応ができる体制を維持しています。

  • 原材料及び部品の調達

    世界的な半導体を中心とした電子部品不足の長期化や部品調達環境のさらなる悪化が生じた場合、調達コストの高騰に伴う製造原価の上昇、顧客への納品遅延による販売機会損失により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、サプライチェーンの見直しと生産効率の改善による原価低減に取り組んでおります。

海外事業展開に伴うリスク

  • 当社グループは米国、欧州を中心に海外事業を展開しております。そのため、法的規制等の変更や予測できない規制が設けられた場合には、当社の事業活動が制限される可能性があります。また、税務面においても、移転価格税制等に関し、法令等の解釈の相違によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
    ウクライナ情勢については、経済制裁や各国の規制に基づく営業活動等への影響はあるものの、当有価証券報告書提出日現在では当社グループの業績及び財政状態に与える影響は軽微と見込んでおります。グループ社員の安全確保、部品や原材料および物流費の高騰、サイバー攻撃に関する懸念等、想定されるリスクに対して必要な対策を行ってまいります。

法的規制・訴訟に関するリスク

  • 当社グループは、国内外において事業を遂行する上で、内部統制システム及びリスク管理体制を構築し、各種法令を遵守するよう努めております。しかしながら、当社グループの事業活動が理由の如何に関わらず、結果として法令違反と判断され、製造物責任や知的財産等の問題で訴訟を提起される可能性があります。その動向及び結果によっては、当社グループのブランドイメージ、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
    なお、当社の連結子会社Roland DG Brasil Ltd.(以下DBR社)は、当社インクジェットプリンター製品の輸入及び販売に関連して、ブラジル国の税務当局から調査を受け、同製品についての関税等の追徴課税通知を受け取っております。DBR社は当局からの指摘内容についてこれを不服とし、正当性を主張すべく2018年9月、2018年11月にそれぞれ不服申し立てを行っております。

災害の発生に伴うリスク

  • 当社グループは国内外で生産、販売活動を展開しておりますが、当該地域にて地震、洪水、台風、火災、戦争、感染症等が発生し、当社グループや取引先企業が被害を受けた場合、事業活動に支障をきたし業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、災害が発生した場合も被害を最小限にとどめ、速やかな事業再開を可能にするため、BCP(事業継続計画)を策定しております。

情報管理に関するリスク

  • 当社グループは「情報管理規程/グローバル情報セキュリティポリシー」を制定し、情報流出の防止や外部からのシステム侵入への対応に努めております。しかしながら、予期せぬ事態による情報システムの停止や情報流出等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、情報管理における適切な技術対策や社内管理体制の整備、従業員への教育等を講じております。

人材の確保に関するリスク

  • 当社グループは、グローバルに高付加価値市場を創出し成長し続ける企業を志向するため、当社の企業理念に共感するイノベーティブな人材およびグローバルに活躍できる人材の確保・育成が必須と認識しております。これらの人材が不足する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、人事制度の適切な見直しや従業員のリスキリングを行うなど、「働き方や学び方」の改革を推進することで、より働きやすく、やりがいのある労働環境の整備に努めております。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク

  • 全世界へ急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、グローバルに事業展開する当社グループの事業活動に大きく影響しております。当社グループが事業展開している国や地域において、感染拡大防止のためのロックダウンや経済活動への規制等の政策が実施された場合、事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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