(S.M.)モーターの負担が大きくなったため、特に動き出しのトルクが足りないと脱調する(動き出さない)というのが課題でした。単純に考えればモーターを大きくすればいいのですが、ME08には低価格というコンセプトもあるので、できるならモーターは変えたくない。そこでモーターの出力特性を細かく分析して、R.K.さんに「モーターを最大限に使えるポイント」を伝えたんです。
そのデータシートを元に、モーターの出力軸の位置関係や機構の軽量化など、打てる手は全て打ったR.K.。コストを上げることなく、新しい機構を実現することに成功した。
(S.M.)コンパクトさという点では、配線も一苦労でしたね。特に前後駆動・昇降駆動と動きが大きく複雑なテーブル周辺の配線では、FFC(フレキシブルフラットケーブル)というフラットで柔軟性の高いケーブルを採用したのですが、可動域を確保しつつ部品との干渉を防ぐのは至難の作業でした。
(R.K.)「ここ、1mmちょうだい」なんてやり取りもありましたね(笑)。