ワークショップの模様

簡単で楽しく学べるFabワークショップ(後編)

2017年11月08日 イベント・展示会, 3Dものづくり

前回に続き、「作りながら学ぶ」をテーマにしたFabワークショップについてお伝えします。後編では、今回のワークショップを担当したDGSHAPE市場開発部の村松一治と、当日の講師を務めていただいた神奈川大学経営学部国際経営学科の准教授でファブラボ平塚の代表でもある道用大介様に、イベントを開催した背景や想いなどについてお話しいただきます。

まずは、当社の村松に今回のワークショップに対する想いを聞きました。

今回のワークショップを企画した背景と狙いについて教えてください。
村松:当社の3次元切削加工機は、これまで主に工業高校や理工系大学などでの教育・研究用途に活用されてきました。近年では、普通科の高校やファブラボをはじめとするメイカースペースなどにも活躍の場が広がってきています。こうした新しい市場への提案を進める中で、子供たちや学生が主体的にものを考えたり、作ったりできるようにするために、プログラミング教育やものづくり教育を今後どのように行っていけばよいのかを模索している姿を目の当たりにしてきました。
長年、誰もが気軽に「イメージをカタチに」できるものづくり環境を提案してきた当社としては、われわれの製品がその解決のきっかけやヒントを与えられるのではないかと思いました。
学校で技術系の教員をされている方やファブラボなどの運営をされている方など、いわゆるものづくりを教え広める方々を対象に、ものづくりの基礎になる電子工作やプログラミングを、実際に手を動かしながら、手軽に楽しく学んでいただけるような新しいプログラムが提案できないかと考えました。

ワークショップの概要を説明する村松

ワークショップの概要を説明する村松

ワークショップの今後の展望をお聞かせください。
村松:開催するまでは、時間内に作品を完成できるかなど不安も多かったのですが、皆さんが自主的に楽しみながら進めて下さったので、予想以上に内容の濃いイベントになりました。参加された先生から「学校での利用シーンがイメージできた」など、とても良い反応を得ることができました。今後ものづくり教育は、学校やメイカースペースだけでなく、企業の人材育成の場でも必要になっていくと思います。今回参加いただいた皆さんが、ワークショップで楽しみながら経験したことや発見したことを、ご自身のフィールドに持ち帰って広めていただけるといいなと思っています。今回のワークショップの手順はすべてウェブサイトで公開していますので、皆さんの環境に合った内容にアレンジするなどして活用していただければと思います。

* ワークショップのレシピはこちら
http://fabble.cc/fablabhiratsuka/adaptationmodule

ワークショップの模様

ワークショップの模様

発表会の模様

発表会の模様

続いて、講師を務めていただきました道用准教授に、教員として、またファブラボ平塚の運営者として今回のワークショップをどう捉えているかお話を伺いました。

* ファブラボ平塚とは
日本で初めて大学のキャンパス内に設置されたファブラボです。また神奈川大学経営学部の学生が運営に携わり、学外にも開放され、学生が地域コミュニティとの交流を図ることができるユニークな場として注目されています。
http://www.mgmt.kanagawa-u.ac.jp/fablabhiratsuka/

神奈川大学経営学部国際経営学科の准教授でファブラボ平塚代表の道用大介様

神奈川大学経営学部国際経営学科の准教授でファブラボ平塚代表の道用大介様

ワークショップを終えて、どのような感想をお持ちですか?
道用:参加者の皆さんが予想以上、また想定外の作品を作りこんでくれた姿に、運営者としてかなりの手応えを感じましたし、私自身も一緒に楽しむことができました。初めて会った参加者同士が作品作りを通じてお互いの距離を埋め、協力し合い、楽しみながら学ぶことを体感できたのではないかと思います。

ワークショップにご協力いただくことになったきっかけについて教えてください。
道用:大学ではシステム上どうしても文系と理系に分かれてしまいます。そのため文系の学生が理系分野の情報に接する機会はあまり多くありません。しかし私は文系の学生も、電気的なことやプログラミングなど理系分野の知識やスキルを学ぶことが大切だと考えています。文系だからと自らの可能性を限定せずに、幅広い知識を身につけることが、新しいアイデアの創造やさまざまなことを実現するための原動力になるということを学んで欲しいと考えています。そして、その経験を通じて、一人の人間としての人生を豊かなものにしてもらいたいと願っています。それを実感する場として電子工作を取り入れたワークショップを実施したいと考えていた時に、タイミングよく同じ想いを持つローランド ディー.ジー.さんから「一緒に何かできないか」と相談があり、今回のワークショップに協力することになりました。

電子工作やプログラミングの楽しさを体験し、広めてもらいたいと参加者へ伝える道用准教授

電子工作やプログラミングの楽しさを体験し、広めてもらいたいと参加者へ伝える道用准教授

ファブラボ平塚の運営に携わる学生さんたちが参加者を一生懸命サポートしている姿が印象的でしたが、彼らの姿をどうご覧になりましたか?
道用:ファブラボ平塚では、普段から学外の方々にも施設を開放しており、一般のお客様が施設を利用する際には学生が機械の使い方などについて説明していますが、専門的な知識をお持ちのお客様から色々と教えていただくことも多々あります。今回のワークショップでもサポートする学生が参加者の方から教えを受ける場面があり、よい勉強の機会になったと思います。また、企業と一緒になってイベントを運営する立場や役割を経験できたことも、学生たちの大きな財産になったと思います。実際に、準備段階から当日のスタッフまで、いつも以上に真剣に、そして責任感を持って取り組んでくれました。

ファブラボ平塚の学生スタッフが参加者の作品製作をサポート

ファブラボ平塚の学生スタッフが参加者の作品製作をサポート

今回のプログラムを教育現場やファブラボなどに取り入れることは可能でしょうか?
道用:今回は作るもののゴールを決めず、何を作るかは参加者に委ねていましたが、皆さんで活発にコミュニケーションを図りながら、まるで子供のころに戻ったように楽しそうに取り組んでいる姿を見て大きな可能性を感じました。電子工作やプログラミングを含むある程度高度なプログラムでしたが、今回のワークショップのように手軽なツールを活用しながら、楽しく学べるように工夫することで、教育現場やファブラボでも充分に取り入れることができるのではないかと感じました。

ハードルが高いと思われがちな電子工作やプログラミングを3次元切削加工機やMESHのようなツールを使い楽しく学ぶことを提案した今回のワークショップ。参加者の皆さんからは、「トライ&エラーを繰り返しながら、ものづくりを楽しむことができた」「短時間で集中して色々な人と協働するのが楽しかった」といった感想や「自分たちの学校やメイカースペースでアレンジして実施したい」などの声をいただきました。
当社は今後も、ものづくりをもっと身近なものに感じられるような提案やサポートを続けてまいります。

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