UVプリンターでオリジナルデザインをプリントしたOKICHUの島ぞうり

沖縄で愛される「島ぞうり」をUVプリンターでオリジナルデザインに

2020年09月18日 デジタルプリンティング, コトづくり

沖縄の「島ぞうり」をご存知ですか?ビーチサンダルの一種で、地元では欠かせない履きものです。沖縄県内で島ぞうりを作り、当社UVプリンターでさまざまなデザインをプリントしているお客様を紹介します。

メイドイン沖縄の島ぞうりを販売「日本製島ぞうり専門店 OKICHU/沖忠」

メイドイン沖縄のOKICHUの島ぞうり

「日本製島ぞうり専門店 OKICHU/沖忠」は沖縄の自社工場で作った島ぞうりを観光客に人気のエリア北谷・アメリカンビレッジの店舗オンラインショップで販売しています。
(※2020年9月現在、オンラインショップは海外発送に対応していません)

事業を展開する株式会社琉球ファクトリーの代表取締役CEOの山城忠さん(下写真)にリモートでお話を伺いました。

株式会社琉球ファクトリーの代表取締役CEOの山城忠さん北谷・アメリカンビレッジの店舗UVプリンターでオリジナルデザインをプリントしたOKICHUの島ぞうり

Roland DG:自社で島ぞうりを作り始めたきっかけは?

山城さん:2006年に起業し、泡盛などを扱う土産物店を始めました。沖縄では地元で作ったものを「島酒(泡盛)」「島とうがらし」など「島」をつけて呼びますが、普段履く島ぞうりは海外製では?と疑問でした。私が子どもの頃は国産でしたが、今はほとんどなくなってしまいました。そこで、沖縄で島ぞうりを作れないかと数年かけて事業化しました。

自社工場は北谷の店舗のすぐ近くの海が見える場所にあります。島ぞうりはソールと鼻緒だけのシンプルな作りですが、機械化が難しく、型抜き、組み立てをすべて手作業で行っています。お客様に合うサイズが急ぎで欲しいときも工場が近いとフレキシブルに対応できます。

手作業で作られる島ぞうり

ひとつひとつ手作業で丁寧に作られます

OKICHUの島ぞうりの特長は?

履き心地にこだわった島ぞうり

履き心地にこだわり、ソールのかかとがつま先より厚い「テーパー型」を採用しています(大量生産品は「フラット型」が多いとのこと)。天然ゴムの鼻緒は柔らかく、指になじみやすいのが特長です。カラー20色、鼻緒カラー12色、13サイズから選べます。

島ぞうりは店舗とオンラインショップで販売しています。店舗には日本全国や海外、特に台湾・香港から多くお客様がいらっしゃいます。

カスタム島ぞうりやコラボ島ぞうりが人気

名前入りのカスタムオーダー島ぞうり

お客様の名前を入れたカスタムオーダーや人気キャラクターのコラボ商品など、さまざまな島ぞうりをラインナップしていますね。

オーダーから約30分で作るカスタム商品、有名キャラクターやプロ野球球団とのコラボ商品などのOEM生産が主力商品です。OEM生産はリピートも多く、沖縄の主要観光スポットからも依頼があります。

当社は以前から泡盛のボトルに名前やメッセージを入れて販売しています。島ぞうりも名前、メッセージ、記念日などを入れた自分だけのデザインやお気に入りのキャラクターのデザインを選んで沖縄土産やギフトとして楽しんでいただければと思います。
ユニークな事例では、沖縄でのリゾートウェディング用にも作りました。ゲストの名前入りの島ぞうりを席札にして、式の後は履いて海に入るそうです。思い出に残る引き出物になったと新郎新婦から喜ばれました。

商品はどのように作っていますか?

カスタム島ぞうりはレーザーで彫刻しています。先にレーザーカッターを導入しましたが、コラボ商品の仕事が増え、フルカラーでも作りたいと考えていました。そこで2017年に代理店の紹介でローランド ディー.ジー.のUVプリンター「LEF-300」を導入しました。主にコラボ商品のプリントに活用しています。

UVプリンター「LEF-300」

UVプリンター「LEF-300」

UVプリンターを導入するメリットは何ですか?

島ぞうりは人によってサイズが違いますが、UVプリンターを使った小ロット多品種生産なら在庫をたくさん持つ必要がありません。品質面では、柔らかいソールでもインクがよく伸びるため割れず、白やフルカラーの色を重ねた印刷もきれいにできます。また、コラボ商品で重視するクライアントのコピーライトの小さな文字の表現力やブランドロゴの色合わせにも満足しています。

伝統ある「歌舞伎の隈取り」とのコラボレーション

歌舞伎の隈取り島ぞうり

最近の取り組みについて教えてください。

松竹株式会社とのコラボレーション契約により、歌舞伎の隈取りをモチーフにした島ぞうりを展開準備中です。隈取りをフルカラーで再現でき、UVプリンターの色味も予想以上に綺麗に表現できたことで、物凄く感動しました。

企画当初は東京五輪も意識して早めに準備を進めていましたが、新型コロナの影響で現在コラボ島ぞうりは一歩一歩販売をスタートします。

お客様が履いて・贈って楽しめる島ぞうりを

最後に、今後の展開について教えてください。

現在レーザー彫刻で作っているカスタム島ぞうりを、UVプリンターを使ってフルカラーでも作れないかと考えています。お客様がデザインできる幅も広がりますし、ヨガやダンスチームのロゴをカラーで入れるなど、フルカラーの需要は多いと思います。

また、島ぞうりの製造時に発生する端材を使ったマスコットも観光業界からノベルティとして引き合いがあります。地球環境にやさしく、沖縄らしい新しいノベルティになりそうです。

今は残念ながら新型コロナの影響で、国内外のお客様にこれまでと同じように沖縄へお越しいただくのが難しい状況です。島ぞうりの魅力を広く発信し、自分で履いて、大切な人に贈ってウキウキするような商品を店頭やオンラインショップでお届けしたいと思います。今コロナで厳しい業界にも、小ロット、在庫レスで作れるオリジナルグッズとして島ぞうりを提案したいと思っています。

ありがとうございました。

こだわりの島ぞうりでお客様を喜ばせたいという熱い想いを感じるインタビューでした。

「日本製島ぞうり専門店 OKICHU/沖忠」の詳細はこちら