お取引先とともに
環境に配慮しながら高品質な製品をお客様にお届けするためには、サプライチェーンを構成するお取引先様との協働が不可欠です。当社は、お取引先様との相互信頼、相互発展の精神に基づき、オープンで公平な取引、適正なコストと優れた品質、地球環境に配慮したグリーン調達を推進することで、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
環境法規制への対応
当社は、グローバル企業として、欧州のRoHS指令、REACH規則に対応するとともに、さまざまな法規制の変更にも随時対応しています。特に厳しい化学物質規制であるREACH規則では、サプライチェーンを通じた含有化学物質情報の管理が必要であるため、サプライチェーン全体の協力体制の強化に努めています。現在、GHS※への対応を進め、法規制の適用期限が最も早い日本をはじめ、中国、韓国、欧州を含む10ヵ国以上で対応を完了し、その他の地域に関しても順次対応を進めています。今後も、お取引先様、海外の子会社・代理店との関係性をより一層深め、サプライチェーン間の協力体制を強化し、グローバルな環境法規制に対応してまいります。
※GHS (Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals;):化学品の危険性(危険有害性)に関する国際的な危険有害性分類基準と表示方法(ラベルとSDS)に関するシステム。
グリーン調達
当社は、製品や事業活動が環境や社会に与える影響を鑑み、グリーン調達ガイドラインを定め、お取引先様のご理解・ご協力のもと、調達段階より部品や材料の環境負荷を低減するための活動を推進しています。納入部品・資材については、GHG排出量削減等に寄与する取り組みとして、エネルギー効率の改善、省資源化、リサイクルや解体・処分の容易性といった環境面への配慮をお願いしています。また、含有禁止・制限物質を厳格に管理するために、「製品含有化学物質管理ガイドライン」に沿った化学物質管理体制の構築をお願いするとともに、ご納品に際しては、購買部門の定める「品質保証ガイド」、「納入仕様書」の遵守をお願いしています。
お取引先様のサステナビリティの確認
お取引開始前に、「取引先採用ガイド」を用いてお取引先様の審査を行っています。その内容は、お取引先様の財務状況だけでなく、経営者の健康状態、経営者の後継者の有無や育成状況、事業拠点での地震や水害の危険性の有無までに及び、互いに持続的に協業、成長するための基盤づくりに努めています。お取引の開始にあたってはまた、「CSR調達基準書」の内容への同意、確認書の提出をお願いしています。基準書は、当社がサプライチェーンを通じて取り組む重点項目(人権の尊重と差別の禁止、児童労働・強制労働・過重労働の防止、環境負荷の低減、化学物質管理の遵守、地球環境への配慮、環境・品質マネジメントシステムの整備、個人情報・機密情報の保護・漏えい防止等)を定め、取り組みへの協力を要請しています。
お取引先様のパフォーマンス評価
当社に部品を供給する全てのお取引先様を対象に「取引先パフォーマンス評価」を行っています。評価内容は、経営、品質、コスト、納期、環境、モノづくり力の6つの項目で構成されます。環境面では、化学物質管理体制の実効性、環境マネジメントシステムの整備状況、環境関連法規制の遵守状況に加え、環境負荷低減に寄与する活動を評価させていただいており、エネルギー、資源、廃棄物の観点のみならず、気候変動問題に寄与する取組についてもスコープに入れています。評価結果によっては、改善計画書の提出を求めるなど、是正、改善を要求しています。
部品の調達先の多様化とリスクヘッジ
全国有数のものづくり産業の集積地である浜松市に拠点を構える当社は、創業以来、地元浜松のお取引様との密なコミュニケーションを大切にし、共に発展を図ってまいりました。近年では、タイ工場に生産機能を増設・集約したことから、お取引先様とのネットワークはアジア地域にも広がり、現地での部品調達率も向上しています。お取引先様の地理的な広がりや調達先の複線化、多様化は、大規模災害に対する事業継続計画(BCP)や、パンデミック、地政学リスクの高まりへの対応の観点からも重要性を増しています。今後も相互補完関係を充実させ、リスクヘッジに努めてまいります。