製品ライフサイクルを通じた環境負荷低減

製品開発や事業推進に際して、環境に配慮し、資源の消費を抑制することは、持続可能な社会を見据える私たちに課せられた使命であると考えています。当社は、製品の設計・開発から輸送、使用、廃棄に至るまで、製品ライフサイクルのあらゆるステージにおいて、また、事業ポートフォリオやビジネスモデルの変革を通じて、省エネルギー、省資源に努め、低炭素社会、資源循環型社会の実現に貢献します。

製品の省電力化

日々の業務で使われることが多い当社の製品は、省電力で動作することを旨とし、対生産性での実質的な消費電力の低減に取り組んでいます。全ての当社プリンターはスリープモードを搭載しており、待機時の消費電力を可能な限り抑制できるよう配慮しています。当社はまた、低溶剤インク、水性レジンインクに比べ、印刷時の消費電力を抑制し、GHG排出量の削減に貢献するUVインクを使用したプリンターのラインナップを充実させ、それぞれのインクや製品の特性、生産性を犠牲にすることなく、製品ポートフォリオ全体を通じて省電力、低炭素化に取り組んでいます。

製品の省資源化

製品の省資源化を継続的に実現すべく、新製品の企画時には、製品重量や部品点数を削減できるよう目標値を設定し、開発プロセスを通じてモニタリングしています。当社は、製品の設計・開発にプラットフォーム構想を取り入れ、製品群の基盤となる共通の基礎設計の上に顧客ニーズを反映させることで、開発効率と製品ラインナップの多様性を両立しています。基礎設計においては、部品の共通化やモジュール化による在庫の効率化、部品点数の削減による資源の効率的活用、部品の再利用やリサイクルの容易性など、持続可能性を考慮に入れた設計が可能であり、今後もさらに発展させていく計画です。

事業における環境負荷低減

当社は、事業ポートフォリオとビジネスモデルの変革の両面で環境負荷の低減を進めております。
デジタルファブリケーション事業で展開する「VersaSTUDIO」シリーズでは、従来の業務用大型インクジェットプリンターに比べ、省電力、省資源化を図った小型のデスクトップ型プリンター、カッティングマシン、3Dものづくり製品群をラインナップしており、「削減貢献」の考え方の下、社会全体に対するGHG排出量の削減に努めています。当社が伝統的に得意とする「コンパクト」「簡単操作」「SOHO/ホビー用途」のコンセプトにさらに磨きをかけ、ベースラインである業務用大型インクジェットプリンター比での環境負荷の低減に努めてまいります。
足下で広がりを見せているコネクテッド関連のサービスは、IoT技術の活用により、ユーザーの製品使用状況、機器の状態を把握し、必要なメンテナンスやリペア部品をタイムリーにかつ効率的に提供することで、製品の長寿命化、廃棄物の削減に貢献しています。取得したデータを元に様々な部品やインク等の最適な発注、生産、在庫量の確保等、エネルギーや資源効率の見直し、サーキュラーエコノミーへの活用等、様々な環境的付加価値の創出の可能性を見据えてまいります。

製品輸送の効率化と環境への配慮

製品の梱包サイズを船舶輸送用のコンテナの積載に最適になるように設計するとともに、複数の異なる形態・寸法の製品の貨物の積み付けを積載効率等の観点から最適化するバンニング・ソフトウェアを採用することで、輸送コンテナ本数の削減とGHG排出量の削減を両立しています。コンテナ本数の削減により、トラック輸送時における延べ運行ドライバー数の削減、延べ走行距離数の削減を通じて、ドライバーの長時間労働やドライバー不足による輸送能力の低下といった社会課題の解決にも貢献しています。

40フィートコンテナ40フィートコンテナ

40フィートハイキューブコンテナ40フィートハイキューブコンテナ

廃液インク量の削減

インクジェットプリンターを最適な状態でお使いいただくためには、フレッシュなインクで定期的にインクジェットヘッド内をクリーニングする必要があります。当社のインクジェットプリンターは、クリーニング中に発生する廃液インクの量を可能な限り少なくするよう、継続的に動作シーケンスを改善しています。

メンテナンスとリサイクルに配慮した筐体構造

製品筐体の接合にはネジ止めを採用し、可能な限り溶接を廃しています。容易に分解できる構造を実現することで、高いメンテナンス性とリサイクル性を確保しています。

環境に配慮したインクカートリッジの採用

2015年より、環境に配慮したパウチタイプのインクカートリッジを採用し、プラスチックカートリッジからの切り替えを進めています。パウチタイプのカートリッジは、プラスチックカートリッジに比べ1mlあたりの重量が30%以上軽く、輸送時のCO2削減に寄与するほか、使用後の分別廃棄が容易で、廃棄量を大幅に削減できるメリットがあります。
2023年には、プラスチックに係る資源循環の促進の観点から、紙ベースのインクカートリッジを発売し、プラスチックカートリッジからの置き換えを順次進めています。紙製カートリッジは、プラスチックカートリッジに比べプラスチックの使用量を82%削減し、CO2排出量の削減やプラスチックごみ問題の解決に貢献します。

環境(E)のインデックス

サステナビリティのインデックス

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