受賞風景

タイ工場が5Sアワードで金賞を受賞!

2017年02月17日 企業活動

当社の製造子会社、Roland DG (Thailand) (タイ工場)が、この度、泰日経済技術振興会が主催するThailand 5S Award 2016で金賞を受賞しました。5Sは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」を表す職場環境・文化の改善・改革活動です。タイ工場では、2015年から活動を本格化し、工場、オフィスの環境整備、従業員のモラル向上を図りました。取り組みから1年を迎えた2016年、Roland DG (Thailand)社長の洲崎は、劇的に改善した職場環境とスタッフの意識・行動を目の当たりにし、年頭挨拶でThailand 5S Award 2016へのエントリーを宣言。書類選考、取り組み内容についての審査員へのプレゼンテーション、審査員による2度の現場監査、表彰会場での最終プレゼンテーションなどを経て、めでたく受賞の運びとなりました。

「結局のところ組み立てるのは人」

タイ工場が5S活動に取り組むきっかけとなったのは、2014年に直面した品質問題でした。タイ工場には、当社が長年に亘って磨き上げてきた当社独自の生産システム、「デジタル屋台*」が導入されており、何らかのシステム的なエラーがない限り、生産工程上での不良は抑え込めるはずでした。工場責任者が現場をチェックすると、日本語からタイ語に翻訳された組み立てマニュアルの指示に、日本では当たり前とみなされ記載が省かれている部分や、指示があいまいになっている箇所が見られ、また、ビスの締め順など、順序が記載されているにも関わらず、現場担当者が守っていない事例が散見されました。

「デジタルのサポートはあっても、結局のところ組み立てるのは人」。洲崎はまず、挨拶の励行と時間厳守を徹底するところから始めました。率先垂範で従業員のモラル向上に働きかけるとともに、エンターテイメント性を重視するタイ人の気質に配慮し、約130名の従業員を10チームに分け、ゲームのように競いながら整理・整頓・清掃に取り組むことができるように仕向けました。最初に成果を出した品質管理チームに触発されるように、製造部門も大きく改善。組み立てに使用する工具類は、定置・定物が徹底され、それらをゴールデンエリア(手に取りやすい位置)に集中させることで、作業員の動きに無駄がなくなりました。マニュアルのあいまいな箇所や説明が不十分な箇所も、作業員の行動を一人一人、一工程ずつチェックすることで改良。生産工程に起因する品質不良はなくなり、作業員のモチベーションと自信の向上につながっていきました。

  • 5Sの基本は全員参加

    5Sの基本は全員参加

  • 改善方法を話し合う従業員たち

    改善方法を話し合う従業員たち

  • 整理整頓された品質管理室の棚

    整理整頓された品質管理室の棚

見える化を推進。全員参加で品質を作り込む!

従業員を日本の本社工場に派遣したり、過去のAwardで優秀な賞を受賞した工場を従業員と見学したりすることで、目線はさらに上がり、また、従業員の積極的な改善提案を奨励することで、工場はさらに進化しました。デジタル屋台それぞれの作業データはサーバ上に保存され、管理者が作業進捗を把握したり、データ解析を通じて改善活動につなげたりすることができるようになっていますが、現場の作業員の助け合いの精神や全員で課題を解決する意識を醸成するために、「見える化」を推進。全員が工場全体に気配りできるよう設備や什器の高さも1.5m以内とし、目標や進捗状況を表すディスプレイスタンドには、カラーボールで実績を示す仕組みを導入し、不良を示す「赤ボール」が入ると、従業員が自然に集まり、その場で改善に向けた話し合いと解決策の共有が成されるようにしました。自社のプリンターを活用して、指示看板やフロアサインも内製。工場内の秩序が自然に保たれるよう、誰もがどう行動したらいいか、何をどうしたらいいか一目で分かるよう、随所に工夫を凝らしました。

  • ディスプレイスタンド

    目標や進捗状況を示すディスプレイスタンド

  • デジタル屋台

    手に取りやすい位置に工具や部品を集中させることで、よりコンパクトになったデジタル屋台

目標はさらに高く。世界中の人たちに自慢できる工場に!

5Sや見える化の取り組みは、日本の工場専門誌などでも取り上げられるようになりました。最近では、月に2~3件、工場を見学させてほしいとの依頼があり、タイ国内の企業はもちろん、台湾やマレーシアの企業や、日本の大手企業の社長などもわざわざ見学に来られるとのこと。タイ人トップのチュチャット副社長は、「多くの人が見学に来て下さるので、私たちの取り組みに誇りを感じるとともに、さらに高めていかなければという緊張感も味わっています。規定上、初年度は、金賞が最優秀賞ですが、今年(2017年)は、ダイヤモンド賞を狙いたいと、現場の士気も一層高まっています」と語っています。

また、洲崎は、「今回の受賞は、タイ人と日本人の国民性と役割分担など、それぞれの得意分野がうまくかみ合った結果だと思います。タイの人たちは決まったことを実行する段になると日本人以上のスピードで進めていきます。手先も器用で『見える化』に必要なモノは全てタイ人スタッフが作ったものです。一方で、計画や改善企画を立案するという部分は、日本人の方が得意です。現場のタイの人たちと日本のマネジメントは非常によい組み合わせではないかと見ています」と語り、「今後は、ダイバーシティをキーワードに、グローバルで通用する世界の人たちに自慢できる工場を目指したいですね」と抱負を述べています。

*デジタル屋台

当社の製品は、当社が独自開発したセル生産システム「デジタル屋台(D-Shop)」で組み立てられています。作業者は、パソコンのディスプレイに表示された3Dグラフィックマニュアルを確認しながら、工程ごとに必要な部品を自動供給する回転ラックから部品を取り出し、指示された電気ドライバーを選択して製品を組み立てていきます。間違った部品やドライバーを使用することがないよう工夫されているだけでなく、各工程で品質検査を実施することで、工程内で品質を作り込んでいます。デジタル技術を活用することで人間の記憶力や注意力をサポートし、高品質と高生産性を同時に達成していることが特長です。各屋台での作業ログデータはサーバ上に保存され、現場管理者が作業進捗を把握したり、データ解析を通じて改善活動につなげたりすることができるようになっており、個別の屋台の管理だけでなく、工場全体の生産を最適にコントロールできる点も大きな特長です。

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