Elite Signsの製作した防護服用ネームラベル

イギリスのElite Signsが防護服用ネームラベルで医療従事者をサポート

2020年06月01日 デジタルプリンティング

「防護服を着るとスタッフの見分けがつかない」――新型コロナウイルス(COVID-19)の治療にあたるイギリスの医療スタッフのそんな声に、当社インクジェットプリンターのユーザーElite Signsが応えました。家族でサイン業を営むElite Signsは、医療現場や自宅学習中の子どもたちをグラフィックの製作でサポートしています。

Elite Signsは1996年、南ウェールズのブリジェンドにClive Jamesさん、Barrieさん兄弟が設立。現在は若い世代のSimonさん、Shelleyさん、Ethanさんが事業を引き継いでいます。主に車両グラフィックや看板を製作していますが、イギリス政府の感染拡大防止政策により、通常業務を一時停止しました。

Elite Signs代表のSimon Jamesさんは、「私たちはさまざまな業種に車両グラフィックを提供しています。施工は2人1チームで行うので、ソーシャルディスタンスが必要な時期はできません。看板の仕事もサプライヤーの休業により受けられませんでした」と話します。

医療スタッフの困りごとをグラフィックで解決

しかし、Simonさんはブリジェンドのプリンセス・オブ・ウェールズ病院で働く看護師からの緊急の依頼に応じてから、忙しい日々を送っています。きっかけはある看護師が、防護服を着るとスタッフの見分けがつかず困っているとFacebookに投稿し、解決策のアイデアを募ったこと。Elite Signsは、力になれそうな事業者として推薦されました。

「他の同業者と一緒に、防護服にどうやって名前を表示するかいろいろなアイデアを出しました。最終的に、病院のスタッフがサインペンで名前を書いて防護服の上に貼りつけられる使い捨てのネームラベルを作ることにしました」

色分けできる防護服用ネームラベル

色分けできる防護服用ネームラベル

ネームラベルを付けた防護服を着用する病院スタッフ病院のスタッフがネームラベルに名前を記入し、防護服に貼り付けます

病院のスタッフがネームラベルに名前を記入し、防護服に貼り付けます

「20名の看護師、10名の医師やコンサルタント、10名のサポートスタッフのチームが、1日に3~4回防護服を交換する場合、3,500枚ラベルを用意しても13日半しか持たないと分かりました。そこで念のため、5,000枚製作しました」

南ウェールズの他の病院からも要望があり、Elite Signsはこれまでに15,000枚近くネームラベルを製作しています。

普段は車両ラッピングや看板の製作に用いるローランド ディー.ジー.のプリント&カット機「SOLJET PRO 4 XR-640」で、250枚入りのラベルシートを大量に印刷。材料にはストックしていた耐久性の高い車両グラフィック用のシートも活用しました。また、プロジェクトを継続するためにクライアントである鉄筋コンクリートを扱うStephenson社から資金援助を受けました。

自宅学習中の子どもたちが楽しめる塗り絵データを公開

Elite Signsが公開した救急車の塗り絵データ

Elite Signsが公開した救急車の塗り絵データ

また、Elite Signsは自宅学習中の親子に向けて、車両に自由に色を塗って遊べる塗り絵データをオンラインで公開しています。Simonさんが自宅で仕事をしていた時、娘たちが車両のデザインに興味を持ったことがヒントになりました。医療スタッフに敬意を込めて、救急車の塗り絵データも作成しました。

この記事はRoland DG UKのウェブサイトに掲載されたコンテンツを加筆・修正したものです。