Prototype Pattern 立涌

「OSAKA FUORI SALONE 2025」に出展
乃村工藝社とパウダー3Dプリンターの可能性追求

2025年10月07日 企業活動, イベント・展示会, デジタルプリンティング, 3Dものづくり

ローランド ディー.ジー.は、今年1月に発表したパウダー3Dプリンターを活用し、乃村工藝社と共同で内装建材製作を進めています。今回、この成果を初めて発表するため、大阪で開催された「OSAKA FUORI SALONE 2025」(9月10~16日、OSAKA FUORI SALONE 実行委員会主催)に乃村工藝社と共同出展。同社のデザイナー吉田敬介さんがデザインし、パウダー3Dプリンター「PB-600/PB-400」で出力した作品「Prototype Pattern 立涌(たてわく)」などを披露しました。

最新技術と伝統が融合

「Prototype Pattern 立涌」がモチーフにした「立涌」は、水蒸気や雲が立ちのぼる様子を表す日本の伝統的な文様で、何世紀にもわたり着物や日用品を彩ってきました。今回は、この「立涌」の特徴的な曲線をプログラム化し、立体のオブジェとしてデザイン。パウダー3Dプリンターで出力しました。

この「Prototype Pattern 立涌」は、12パターン192個のパーツを組み合わせてできています。パウダー3Dプリンター「PB-600/PB-400」で使用するセラミックパウダーは、焼成後の収縮率が1%以下という優れた性能により、デザインを正確に成形にすることができ、多数のパーツを組み合わせるこの作品でも、自立する壁を実現することができました。

デザインした吉田敬介さんは、乃村工藝社の未来創造研究所で活動するNOMLABに所属。多彩なテクノロジーを以って空間の可能性を追求し創造することをミッションとしているチームで、パウダー3Dプリンターの活用を研究されています。

「Prototype Pattern 立涌」は、静岡県浜松市のローランド ディー.ジー.本社でパウダー3Dプリンターで出力した後、愛知県瀬戸市の老舗窯元で施釉・焼成、続けて名古屋市の協力工場で組み立てられました。イベント初日、完成した作品の実物を初めて見たという吉田さんは「デザインしたものがカタチになりうれしく感じました。精巧にできていて驚きました」と感想を話しました。

  • Prototype Pattern 立涌

    「Prototype Pattern 立涌」

  • 当社と乃村工藝社のブース

    当社と乃村工藝社のブース

  • Prototype Pattern 立涌のパーツ

    「Prototype Pattern 立涌」のパーツの一例

  • サンプル

    パウダー3Dプリンターで製作した様々なサンプル

大阪から世界に発信

「OSAKA FUORI SALONE」は、建築・家具を中心に、アート性の高い暮らしを潤すモノやコトを紹介するイベント。初開催の今回は「陶酔するライフスタイル」をテーマに、「日常の中でも、五感で味わうように暮らしを愉しむ」「美や空間、感覚、時間に浸る」ことを掲げています。建材やインテリアのメーカーを中心に11社が参加しました。

イベント初日には、オープニングイベントが開かれました。
発起人で実行委員会代表の西岡利明氏は、「大阪・関西万博の開催に伴い世界中から多くの人々が大阪に訪れる今、インテリアに関係するメーカーが世界に発信する場を作りたかった」とイベントの意義を説明しました。

イベントディレクターの建築家・永山祐子氏は、「メーカーが強く発信するデザインのイベントは少ない」とOSAKA FUORI SALONEの価値を語り、「(このイベントで)どんどん人が混じり合って、新しいことが生まれる、その始まりの空気感を感じていただければ」と期待を込めました。

  • オープニングイベント

    特設ステージで行われたオープニングイベント

  • トークショー

    発起人やイベントディレクターが語ったトークショー

  • 会場装飾の解説

    イベントディレクターが会場装飾を解説

  • デザイナーの吉田敬介さん

    ブースでは、デザイナーの吉田さんが説明

インテリアの可能性広げるソリューション

当社と乃村工藝社のブースで中心となった「Prototype Pattern 立涌」は、当社のパウダー3Dプリンター、乃村工藝社、デザイナーの吉田さん、焼き物職人のそれぞれの技術を結集させることで実現。まったく新しいインテリアの手法で、ご覧になった皆様は製作方法を興味深く質問されていました。他にもパウダー3Dプリンターで製作したタイルや2.5DサーフェスプリンターDIMENSEを活用したサンプルを紹介。独創的なデザインで空間を彩る可能性を提示しました。

インテリア・内装建材の関係者が多く訪れた今回のイベントでは、「Prototype Pattern 立涌」を中心に多くの注目と高い関心をお寄せいただくことができました。ご覧いただいた皆様には、パウダー3Dプリンターや2.5DサーフェスプリンターDIMENSEを活用した空間演出を通じて、イベントのテーマ通り「酔いしれるような体験」をしていただけたのではないでしょうか。

デザイナーと職人、パウダー3Dプリンターの組み合わせによる新たなインテリアと内装建材を、今回のイベントをきっかけに広く提案してまいります。

  • 来場者に説明

    来場者に説明する当社社員

  • DIMENSEのサンプル

    DIMENSEの印刷サンプル

  • 来場者に説明

    デザイナーの吉田さん自ら解説も

  • Prototype Pattern 立涌

    独創的な「Prototype Pattern 立涌」のデザイン