和田精密歯研株式会社 樋口鎮央常務

歯科技工のパイオニアに聞く、デジタルデンチャーの可能性(前編)

2017年06月22日 デンタル

1958年の設立以来、日本の歯科技工業界を長年リードし続けてきた和田精密歯研株式会社様。全国各地に拠点を展開し、1,100名の従業員の中で約800名の歯科技工士が在籍する業界最大手の歯科技工所です。歯科技工の最新技術を研究するCAD/CAMセンター(大阪)にて、デンチャー(入れ歯)の製作に必要な型を製作できる当社初の歯科用3Dプリンター「DWP-80S」をお使いいただきました。同社生産本部の樋口鎮央常務、吉次範博係長に、デジタルデンチャー(デジタルを活用して製作されたデンチャー)の可能性についてお伺いしました。

  • 樋口鎮央常務(右)、吉次範博係長(左)

    樋口鎮央常務(右)、吉次範博係長(左)

  • 歯科用3Dプリンター DWP-80S

    2017年3月に発表した当社初の歯科用3Dプリンター(中央)をお使いいただきました

現在、デジタルデンチャーはどのくらい普及していますか?
「歯科技工物にもさまざまな種類がありますが、特にクラウンやブリッジなどの被せ物は、日本国内での保険適用を背景にデジタル化が進んでいます。しかし、より多くの患者さんから必要とされるデンチャーは、現状ではほぼ全ての工程が手作業で行われており、デジタル化が進んでいません。数年前から海外のメーカーがフルデンチャー(総入れ歯)の全ての工程をデジタルで製作するシステムの提案を始めていますが、まだ臨床例が少なく、システムも高額なため、日本国内での普及には時間がかかると思います。また今後は、デンチャーの需要の8割強を占めるパーシャルデンチャー(部分入れ歯)のデジタル化が重要な課題になると思います」(樋口氏)

デンチャーをデジタルで製作するメリットを教えてください。
「『効率化』と『省力化』が最大のメリットです。デンチャーは完成までに多くの工程が必要ですが、その一部でもデジタルで置き換えることができれば、歯科技工士の負担を減らせるだけでなく、より付加価値の高い仕事に専念できるようになるのではないかと思います」(樋口氏)

付加価値の高い仕事とはどのようなものでしょうか?
「歯科技工物の設計です。製作手段がデジタルでもアナログでも、まずは患者さんの歯型を元にどのような技工物を作るべきか考えなければいけません。患者さん一人ひとりに最適な技工物を設計するには、優れたスキル、経験やノウハウが不可欠です。例えば、デジタル化によって作業時間を削減して、若手の技工士がこうした設計などの高度な技術を習得するための時間を確保することで、さらなるスキルアップに繋げられるのではないかと思います」(樋口氏)

デジタル化は、歯科技工士の労働環境にも影響がありそうですね。
「技工士の労働時間を短縮できる効果は非常に大きいと感じています。以前は仕事量が増えた場合、労働時間を増やさないと対応できませんでしたが、今はデジタルシステムの導入により生産能力を確保しながら、技工士の労働時間を減らそうという考え方に変わってきています」(樋口氏)

当社の3Dプリンターを実際にお使いいただいた感想は、後編にてご紹介します!

和田精密歯研株式会社様の詳細はこちら
http://www.labowada.co.jp/index.html

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販売名:歯科用3Dプリンタ DWP-80S 医療機器届出番号:22B3X10006000070
一般医療機器 歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット